ペットのニオイの原因
部屋に入った時に感じるペットのニオイは、大きく「ペット自体のニオイ」「部屋に付着したニオイ」「排泄物のニオイ」の3種類に分けられます。それぞれの特徴を説明します。
ペット自体のニオイ
ペットは動物ゆえ体臭があります。ここでは、犬と猫について体臭の原因や特徴をそれぞれ紹介します。
犬の体臭
犬の体臭の主な原因は、アポクリン腺という汗腺から分泌される汗にあります。この汗は無臭ですが、脂質やタンパク質が含まれており、皮膚表面の雑菌によって分解されてニオイが発生します。
犬種や個体によって体臭の強さは異なりますが、特に垂れ耳の犬や長毛種は、耳や毛にニオイがこもりやすい傾向にあります。肉球の汗腺から分泌される脂肪分の多い汗が、被毛についた汚れと混ざって酸化し、雑菌が繁殖することでニオイを発することもあります。
また、犬は目の周囲の湿り気や涙のニオイにも注意が必要です。特に涙や目の周りが普段より湿っている場合は、結膜炎といった病気の可能性も考慮して、動物病院で診察してもらうことをおすすめします。口臭も見逃せません。歯石の蓄積が雑菌の繁殖を招き、強いニオイの原因となります。
さらに、人間にも加齢臭があるように、犬も年齢を重ねるとともに体臭が強くなることがあります。
猫の体臭
一方、猫は犬に比べると体臭はほとんどありません。これはネコ科の動物は獲物を狩る際に、自分のニオイを隠す必要があるためとされています。しかし、猫の場合は尿のニオイが強くなる傾向があります。これは砂漠地帯で生き延びるために少ない水で老廃物を凝縮して排泄する習性があるためです。
犬や猫と快適に暮らすためには、それぞれの習性と体臭の原因や特徴を理解したうえで、日々のお手入れと健康チェックをして清潔に保つことが重要です。
部屋に付着したニオイ
ペットを飼っていると、汗や体臭、排泄物などのニオイが部屋に染み付いてしまうことがあります。カーペットやソファ、カーテンなどの布製品は、これらのニオイを吸収しやすいため、知らず知らずのうちにニオイの温床となってしまいます。ペットが直接触れていない場所までニオイが広がるのは、気体となったニオイが空間を漂い、壁や布に染み込むためです。
ペットが過ごす木製のフローリングやプラスチック製のおもちゃなどは、毛に付いた皮脂汚れや肉球からの汗、唾液などが付着し、時間が経つとニオイの発生源に変わります。
排泄物のニオイ
室内で際立つのが、ペットの排泄物のニオイです。排泄物に含まれる硫黄化合物やアンモニアが原因となり、部屋の空気中を漂って不快なニオイを振りまきます。そして放置すると部屋中の布製品に付着し、なかなか消えない頑固なニオイへと変化していきます。
ペットのニオイ対策
ペットのニオイにはどのような対策を打つべきかをここから説明します。
消臭剤を使う
ペット用消臭剤にはさまざまな種類がありますが、代表的なのは「置き型タイプ」と「スプレータイプ」です。
置き型タイプの消臭剤は、室内や玄関、トイレなどに置いておくだけで、簡単に消臭ができます。即効性には欠けるものの持続力があり、ペットのニオイを緩和してくれます。しかし、ペットが誤って口に入れてしまう危険性があるため、設置場所には細心の注意が必要です。
一方、スプレータイプは持続性には欠けるものの即効性があり、気になる場所や物に直接噴射することでピンポイントでの消臭が可能です。ただし、香りが強すぎるとペットの負担となる可能性があります。
消臭剤を選ぶ際は、香りが強いものは避けたほうが無難です。ペットの嗅覚は鋭敏なため、刺激の少ない製品を選びましょう。安全面を考えると、人間用ではなくペット専用の製品を選ぶことが賢明です。緑茶乾留エキスや植物系の消臭成分などを配合した製品、天然成分のみで作られた製品ならさらに安心です。悪臭を良い香りの一部に変換できる特別な香りを使用し、悪臭を香りの一部として取り込む製品もあります。
ペット自体のニオイ対策をする
消臭剤だけではなく日頃のケアにより、ペット自体のニオイを対策することも大事です。
定期的にシャンプーをする
ペット自体のニオイ対策の基本は定期的なシャンプーですが、季節によって頻度を調整することがポイントです。空気が乾燥する冬は3〜4週間に1回、湿度の高い梅雨時は2〜3週間に1回を目安にしましょう。ただし、シャンプー後の乾燥は徹底的に行う必要があります。生乾きの状態で放置すると、かえって雑菌が繁殖し新たなニオイの原因となってしまいます。
食事や散歩後に拭く
日常的なケアも欠かせません。散歩や食事の後には、ペット用のウェットティッシュで軽く拭いてあげるだけでもニオイには効果的です。フレンチブルドッグやパグなど、顔にシワの多い犬種はシワの間に皮脂汚れが蓄積します。また、垂れ耳の犬種は湿気がこもりやすく、細菌が繁殖しやすい環境にありますので、こまめに拭いてあげましょう。
ブラッシングをする
ブラッシングをすることで汚れを除去するだけでなく、皮膚の血行を促進し毛の生え変わりを助けることで、皮脂の分泌が安定し毛並みも整います。
口臭ケアをする
口臭にも気を配る必要があります。ペットは人間以上に歯垢や歯石がつきやすく、放置すれば歯周病の原因となり口臭を引き起こします。毎日の歯磨きや専用スプレーの使用で、口腔内を清潔に保つことが大切です。
ペットのニオイは健康状態のバロメーターともいえます。「いつもとニオイが違う」「ニオイが急に強くなった」と感じたら病気のサインかもしれません。自己判断せず、早めに動物病院に相談するようにしましょう。
壁や家具などの消臭をする
ペットのニオイが染みついた壁や家具などは、その場所に適した消臭を施します。
布製品に付着したニオイに最も効果的な対策はこまめな洗濯です。洗濯可能な布製品は定期的に洗い、清潔さを保つことが大切です。ソファなど洗濯が難しいものは、洗えるラグやシートをソファの上に敷いて、ペットが直接触れないようにするとよいでしょう。
ペットが排泄したらできるだけ速やかにトイレシートを交換するのが最善策です。使用済みのペットシートは密封できる袋に入れて、蓋付きのゴミ箱で保管するとニオイが軽減されます。また、トイレにこびり付いた排泄物がニオイの温床になるため、トイレ本体の手入れも怠らないようにしましょう。最近は共働き家庭が増え、トイレシートの頻繁な交換が難しい場合があるかもしれません。そのような時は消臭効果のあるトイレシートや専用消臭剤の活用がおすすめです。
さらに、排泄物が周囲の壁や床に飛び散っていることがありますので、ペット用消臭スプレーやウェットティッシュで入念に掃除しておきましょう。
ペット消臭には置き型機器がおすすめな理由
さまざまな対策を説明しました。ペット消臭には置いておくだけで消臭でき手がかからず、部屋や空間を消臭したいときに効果的な置き型機器がおすすめです。その理由について説明します。
1. 置くだけだから手軽に使用できる
ニオイが気になる場所に手軽に設置できる置き型機器は、その便利さが一つ目のメリットです。スプレーのように頻繁に散布する手間がなく、気になる場所に置くだけで効果を発揮するからです。安定した場所であればリビングやキッチンなど、家中のさまざまな空間に設置できる柔軟性も魅力的です。
2. 消臭以外の機能性を併せ持つモデルがある
ペットの消臭対策に置き型機器がおすすめな理由の二つ目は、消臭のほかに、優れた機能性を併せ持つモデルがあることがあげられます。その一つが、【抗菌】です。
カビや菌類のバクテリアが増殖するのは、ペットがいる環境では避けたいですよね。抗菌機能も併せ持つ置き型消臭機器は、空気を清潔に保ちながら、嫌なニオイも軽減してくれます。ペットのみならず、飼い主の健康も守ってくれます。
3. 持続性がある
ペット消臭に置き型の機器を選ぶことをおすすめする三つ目の理由は、驚くほど長続きする消臭効果にあります。スプレータイプが一時的な効果にとどまるのに対し、置き型は液体やゲル状の成分が徐々に消費されながら持続的にニオイに働きかけ、使い切るまで安定して効果を発揮し続けます。忙しさに追われる飼い主にとって、こまめな取り替えの手間が省ける点は大きなメリットといえます。
4. 置く場所を選べる
ペットの消臭対策として置き型機器をおすすめする理由の四つ目は、設置場所の自由さです。安定した場所であれば、リビングやキッチン、寝室など、家中のあらゆる空間に設置できます。ニオイの発生源近くに置くことで、ニオイが部屋中に広がる前に消臭できます。
コンパクトなデザインのモデルも多く、狭い場所でも邪魔になりません。また、インテリアの雰囲気を損なわないオシャレな外観のモデルでは、部屋の雰囲気を壊すことなくさりげなく置けるのがポイントです。
5. 安全に使用できる
ペットの消臭対策として置き型機器をおすすめする五つ目の理由は、安全性が高い点にあります。スプレータイプに比べ、ペットが直接口にする危険性が低いのは大きなメリットです。また、器具が倒れた場合には自動で停止する設計となっている機器が多いことも安全に対する配慮です。これにより、飼い主は安心して室内の空気を清潔に保つことができ、ペットの健康と快適さを両立することが可能になります。
まとめ
この記事では、ペットのニオイの原因と対策について解説してきました。ペットのニオイは体臭や部屋への染みつき、排泄物など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
日頃のケアや清掃は欠かせませんが、十分な時間を確保するのが難しいことがあるでしょう。その場合には、多くの利点を兼ね備えている置き型機器が、非常に魅力的な選択肢になります。ぜひ取り入れて、ニオイのない清潔な空間でペットと快適に暮らしましょう。